この記事は、プロダクトマーケティング担当のDave Esberが、こちら(英語)で執筆した記事を日本語化したものです。
SIGNAL 2020で発表されたTwilio Frontlineのパブリックベータ版が公開されました。iOSとAndroidに対応したモバイルファーストのアプリケーションであるTwilio Frontlineは、営業チームやリレーション管理担当にとってなくてはならない存在であり、SMSやWhatsApp(+今後対応予定のチャネル)を使って、安全かつコンプライアンスに配慮した方法で顧客との永続的な関係を築くことができます。
リレーション管理、カスタマイズ性、プライバシーのバランス
リモートワークや分散型チームは、ビジネスのデジタル化のための新たな方法を導入し、一方で多くの企業が直面する課題を明らかにしました。具体的には、連絡先の管理、規制や法律上の理由による会話の適切な管理、従業員の生産性向上のために会話をコーチング等に利用することなどです。金融サービス、ヘルスケア、ライフサイエンスなど、規制の厳しい業界では、さらにコンプライアンス上の考慮点があります。
コンプライアンス要件と使いやすさのバランスをとるのは、常に難しいことです。片方向に進みすぎると、従業員が使いたくない、あるいは使えない技術の導入を余儀なくされ、他方向に進みすぎると、潜在的にコストのかかる違反行為を可視化できなくなります。これらのニーズに対応するために、企業や組織のIT部門にはいくつかの選択肢がありました。テキスト系アプリを完全に禁止する、セキュリティレベルを上げた「仕事用電話」を支給する、柔軟性に欠けるメッセージングアプリケーションを導入する、カスタムソリューションを構築する、などです。
しかし、どれも理想的なバランスを実現できませんでした。
多くの企業がBring Your Own Device(*1)ポリシーに移行するにつれ、仕事用電話の支給、交換、管理にかかるコストが明らかになってきました。このような状況下では、新しいアプリケーションや既製のソリューションを導入しても、IT部門や開発部門にとっては柔軟性に欠け、従業員には採用されず、不必要な費用や新たなコンプライアンス上の問題、そして販売機会の損失につながることがありました。また、先進的な企業以外では、営業チームと顧客とのコミュニケーションのためにカスタムソリューションを構築することが、ロードマップの上位に位置することはありません。しかし、セキュアなコミュニケーションを確保するために行動しなかった場合のコストは、あまりにも高いものとなります。
(*1) 個人所有の端末を業務利用すること
このような課題感を解決する手段として、当社はTwilio Frontlineの開発に乗り出しました。Frontlineは、あらかじめ構築されたユーザーフレンドリーなUI(画面)と、カスタマイズ可能なシステム連携およびワークフローを組み合わせたもので、企業は従業員に安全なマルチチャネルのモバイルアプリを提供し、従業員に楽しんで使ってもらうことができます。一方顧客は、別のコミュニケーションチャネルを使用するためだけに新たにアプリをダウンロードする必要はなく、自分の好きなチャネルを使い続けることができます。FrontlineはTwilio Conversations APIをベースに構築されているため、開発者はフロントエンドアプリケーションの構築や運用に時間をかけることなく、メッセージのルーティングロジック、電話番号のプロキシ(*2)対応、テンプレート化されたレスポンス、顧客連絡先のCRM連携、さらには連絡先のフィールド表示などをカスタマイズすることができます。
(*2) コミュニケーションの相手の番号を直接知らずともコミュニケーションできる機能
世界70カ国に155,000人のプロフェッショナルを擁するグローバル農業企業カーギル社は、中南米の営業チームが好みのチャネル(例: WhatsApp Business API)を使って顧客とコミュニケーションを取るためにTwilio Frontlineを使った開発を進めています。カーギルのチームは、このアプリが従業員にとって「ダイナミックで適応性がある」こと、顧客が好みのチャネルを使用できることで気分良く企業側とコミュニケーションを行っていただけること、会話ログを必要に応じて指定のデータベースに保存できること、に意義を見出しました。
カーギル社の中南米地域においてグローバルITデジタルソリューションのビジネスリーダーを務めるマルコ・スティーブン・グラント氏は、以下のようにコメントしています。「Twilio Frontlineは、コンプライアンス規制を満たさなければならない大企業にとって優れたアプリケーションです。」
カスタマイズ可能でモバイルファーストのアプリケーション
多くのTwilio APIでは強力なビルディングブロックを提供しますが、Twilio Frontlineの開発では少し異なったアプローチをしました。お客様からは、UIを一から開発したり、アプリケーションをメンテナンスしたりすることは、カスタムソリューションを展開する上で最大の障壁の一つになり得るというお話を伺いました。パンデミックにより、グローバル企業のデジタルコミュニケーションのタイムラインが平均6年も早まる中、市場投入までの時間は非常に重要です。そのため、FrontlineはApp StoreとGoogle Playストアで利用できるユーザーフレンドリーなアプリとしてスタートしました。
ただ、すぐに使えるアプリケーションとの共通点は、実はそこまでに留まります。内勤営業チーム向けのメッセージのカスタムルーティング、ボット連携、オプトインされた連絡先にのみアウトバウンドメッセージを配信するロジックなど、Twilio Conversations REST APIを利用することで、すべての会話参加者とメッセージに対して柔軟なカスタマイズが可能です。
Frontlineは、顧客データベースやCRMと連動するように設計されているので、連携をサポートするコールバックも公開しています。Webフックに登録するのと同じ方法でコールバックに登録することができ、入力されたリクエストを処理し、特定のフォーマットで応答するURLを設定します。これにより、承認済みのテンプレートを公開したり、従業員が顧客の最新リストやカスタマイズされた連絡先情報をFrontline側UIで表示できるようになります。
セキュリティやプライバシーに配慮した顧客エンゲージメント
Twilio Frontlineの正式リリース前の先行導入顧客の間でよく聞かれた要件は、特定の規制や社内要件に確実に準拠する必要があるということでした。一例として、Frontlineのユーザーが既存のIDプロバイダを利用した安全なシングルサインオン (SSO) でユーザー認証・ログインするシナリオが挙げられます。Frontlineは、Google、Active Directory、Oktaなど、SAML 2.0をサポートするあらゆるIDプロバイダと接続します。従業員はSSO認証を使ってFrontlineにアクセスし、IT部門はチームメンバーをシームレスにオンボード/オフボードすることができるのです。
規制や社内要件への準拠・対応はオンボーディングとログインだけに留まりません。Frontlineは、会話データをセキュアにアーカイブし、個人情報を保護するように設計されています。このプライバシー保護に欠かせないのが、何千もの電話番号を1つの「デジタル」電話番号で代理することができる仮想電話番号や、従業員ごとにユニークな番号を割り当てる機能です。顧客画面に表示される個人情報を定義し、会話をプロキシ(代理化)することで、個人情報を公開せずとも自由なコミュニケーションが実現されます。
最後に、特定のコンプライアンス要件を持つ業界向けに、開発者は追加のワークフローを定義することができます。例えば、顧客がメッセージの受信をオプトインしていない限り送信メッセージを送れないようにしたり、冒涜的な言葉のフィルターを連携したりすることができます。このようにTwilio Frontlineは、企業がすべての会話をコントロールし、管理することを可能にすると同時に、従業員が個人のデバイスを使用する利便性と、顧客とのコミュニケーションの障壁を取り除くユーザーフレンドリーなアプリケーションを提供します。
アプリケーションではなく、お客様との関係性を構築する
新機能を展開する際に私たちが意識する指標は、ユーザー体験、そして営業チームの生産性です。コンプライアンスやカスタマイズ性は、営業チームが仕事をこなし、そのテクノロジーを楽しんで使うことができて初めて意味があります。クロスチャネルへの対応、ボイスメモや絵文字(😃📱)に代表されるリッチメディアのサポート、チームメンバー間のシームレスな転送など、お気に入りのメッセージングアプリを使っているような感覚でFrontlineを使っていただけることと思います。
Twilio Frontlineをあなたのチームに導入してみませんか?iOSおよびAndroidデバイス用のFrontlineモバイルアプリは、App StoreおよびGoogle Playストアからダウンロードできます。また、クイックスタートもぜひご確認ください。
Frontlineの枠組みの上に、どのような関係性を構築するのか楽しみにしています!

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