女性ITエンジニアとしてどう生きる?どうキャリアを描く?

March 22, 2022
執筆者
Mariko Shimoda
寄稿者
Twilio の寄稿者によって表明された意見は彼ら自身のものです

Women In Tech 国際女性デーオンラインイベント2022

2022年3月8日、国際女性デーを前にTwilio Japanがオンラインで開催した「Women In Tech」。女性としての働き方・生き方を考えるこのイベントには、社内外から約50名が参加しました。多くの反響が寄せられたのが、ITエンジニア兼漫画家で約9万人のフォロワーを持つ千代田まどかさん(以下、ちょまどさん)とTwilio Japanで開発者向けのテクニカルコンテンツ開発を行う中嶋ステファニーみなみの対談。「女性エンジニア」として感じたジェンダーの壁、キャリアパスの描き方などについて互いの意見を交わしました。

Twilio Japan Women In Tech

〜女性エンジニア対談レポート〜

■目次

  1. 登壇者紹介
  2. ITエンジニア職におけるジェンダーの壁
  3. 女性比率を高めるために個人ができることは?
  4. ジェンダー平等のために何を意識するべき?
  5. ロールモデルがない中、キャリアプランをどう描く?
  6. TwilioのDEI推進

 

1.  登壇者紹介

千代田まどか氏

 

千代田まどか(ちょまど)さん

外資系IT企業のDevRel部門で開発者コミュニティの運営に携わる。さまざまなITイベントへの登壇・メディアへの寄稿なども多く、IT業界で注目を集める存在。また自身が女性ITエンジニアとして仲間探しに苦労した経験から、女性エンジニアのためのオンラインコミュニティ「Code Polaris」の立ち上げにも携わり、現在はオーガナイザーを務める。

中嶋ステファニーみなみ

 

中嶋ステファニーみなみ

Twilio JapanのDeveloper Voices Teamにてテクニカルコンテンツ開発に携わる。JavaScriptを中心とした開発者向けチュートリアルや技術コンテンツをTwilioブログにて発信中。今回の対談ではちょまどさんのフォロワーの1人として、同じ女性ITエンジニアとして、女性としての働き方・生き方を考察する。

 

2.  ITエンジニア職におけるジェンダーの壁

対談冒頭では、ちょまどさんがITエンジニアになった経緯について中嶋から質問。文系大学に在学中、専攻とはまったく違うプログラミングに興味を持ち没頭し始めたそう。周囲にプログラミングの悩みを共有できる仲間がいなかったためオンラインで開発コミュニティとつながり、それをきっかけに現在のITエンジニアになる道を見つけたと話されました。しかしIT業界に飛び込んだちょまどさんは思わぬ壁にぶつかります。

「高校・大学は女子校でしたがIT業界に入ってみると、男女比率がこれまでの人生と逆転!前職では女性エンジニアが私を含め2人だけで、新入社員研修の講師を務める先輩社員も同期社員も男性オンリー。研修室に入ったときに“男子トイレに入ってしまった”ような場違い感があったのを今も覚えています。もちろん日々の業務では男性と同じ活躍の機会があり、周りの男性社員も良い方ばかりでしたが、身近に女性としての悩みをオープンに打ち明けられる仲間がいないのは切実な問題でした。生理の症状が辛くて休む際に上司や同僚に打ち明けにくい、キャリアプランを描こうにも産休育休を取得できるのか、取得後に復帰できるのかもわからない。相談相手がおらずとても孤独でした」とちょまどさん。

職場に仲間がいないのならオンラインで仲間を探せる場をつくろうと、2020年には2人の仲間とともに女性エンジニアコミュニティ「Code Polaris」の立ち上げに携わることに。技術を学び合ったり、悩みを相談し合ったりできる“居場所”として現在500人以上のユーザーが参加しているそうです。

中嶋も自身の体験から「IT業界は女性の入社人数がそもそも多くない上に、離職率も高い。男性中心の環境で身近に共感し合える相手がいない状況は離職の大きな要因になると思います。ただ、コロナ禍でオンラインのつながりが見直される今、仲間も探しやすい環境になっているのでは。Slackなどのツールをうまく使って悩み別のチャンネルを立ち上げることもできますよね。ちょまどさんのようにつながる場やチャンネルを自分で立ち上げる!というスタンスも大切だと思います。Twilioにもさまざまなチャンネルがあり、技術・子育て・雑談などテーマ別の会話の場がSlack上で開設されています」と話しました。

 

 

3.  女性比率を高めるために個人ができることは?

オンラインだけでなくリアルでも女性エンジニア同士がつながりやすくなるよう、IT業界での女性比率を高めるためのアイデアも議論されました。会社と個人でそれぞれ違う役割がある中で、個人として何ができるか?についてちょまどさんは以下のように回答されました。

「自分が楽しむ姿勢、仲間との支え合い。この2点だと私は考えています。まずは自分がエンジニアとして楽しく仕事をする、さらにその姿を発信できれば、それが若い女性がIT業界に参入する後押しになると思う。そして発信する中で自分と同じような仲間とつながり、マイノリティ同士で支え合えば、その力は大きなものになる。結果的にIT業界の女性比率向上につながると思う」と強調。“女性の姿が見えない=女性が参入しづらい=いつまでも女性の人数が増えない”という悪循環の源を断ち切るためにも、エンジニアとして仕事を楽しんでいる女性がカンファレンスに登壇したり、SNSで仕事の楽しさを伝えたり、メディアに登場したりしてほしいと話されました。

それを受けて中嶋は「ちょまどさんのTwitterをフォローすると、実際に楽しく仕事をしている姿が発信されていて、まさに有言実行!」とコメント。ちょまどさんが「Code Polaris」を“安心して失敗できるサンドボックス”と捉え、女性エンジニアがクローズドな環境でプレゼンなどにチャレンジし安心して成長できる場として運営されている点にも触れ、「そういった場も活用して、ぜひ多くの女性エンジニアに堂々と前に出てほしいですね。そうすればIT業界でエンジニアに挑戦したい!という女性も増えるはず」と話しました。

 

4.  ジェンダー平等のために何を意識するべき?

将来的には男女比5:5を目指したいと話すちょまどさんに、ジェンダー平等のために何が必要かも質問。そこで出たキーワードが「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」です。具体的なエピソードとして友人の女性ITエンジニアがIT勉強会で登壇したときのエピソードが話されました。

「専門家として登壇した彼女のプレゼンはとても素晴らしいものでした。しかしコメント欄には、技術や知識とはまったく関係がない“かわいい”“美人”といった書き込みがあり、彼女は心からがっかりしていました。エンジニアとしてのバックグラウンドや当日の準備にかけた努力ではなく、そこが評価対象なのか?と……。これがまさにアンコンシャス・バイアス。書き込んだ人は『女性=外見を褒められるとうれしい』という無意識の思い込み(アンコンシャス・バイアス)で、発言したのだと思うんです」

無意識だからこそ、気づくのが難しいアンコンシャス・バイアス。「よかれ」と思った発言も相手に不快感を与える場合があります。アンコンシャス・バイアスを「自分も持っている」前提でコミュニケーションを考える、もし相手に不快な思いをさせてしまった際は謝罪して自分の思考の傾向を見直す。これらのポイントがちょまどさんから示されました。

中嶋も「アンコンシャス・バイアスは自分では気づきにくいものだからこそ、気づいた人による発信も大切。周囲に気づきを広げていくことが良い影響を与えるのでは。また、相手の属性だけで判断するのではなく個人と丁寧に向き合う姿勢もポイントだと思います。どう思う?どうしたい?といった“人となり”を知れるような問いかけなども有効かも」と今後のヒントを得ていました。

 

5.  ロールモデルがない中、キャリアプランをどう描く?

最後にトピックに上がったのが、女性としてのキャリアプランをどう描くか。女性比率が低いIT業界では、そもそもロールモデルが不在だという課題があります。実際にライフステージの変化によって離職する女性も多く、将来を描きづらいという悩みは多くの女性エンジニアが抱いているのではないでしょうか。そんな中、ちょまどさんからは心強い発言が!

「プログラミングが好きでエンジニアになった私。やっぱりどんなライフステージの変化があってもプログラミングを追求し続けたいんです。だから『ロールモデルがないのなら、自分がロールモデルになる!』という心意気(笑)。自分が女性エンジニアとして働く憧れや夢を広く発信していきたいと思っています。実際に私の発信しているブログやSNSを見て、エンジニアの世界に飛び込みました!と話してくれた女性もいて……こんなに嬉しいことはないですよね。もちろんキャリアプランは一人ひとり違って当たり前。それぞれが思う道を進み、願わくばそれを広く発信してほしいですね」

一方中嶋は、自らロールモデルをつくる・発信するのが苦手だと感じる人は、一つのロールモデルをコピーするのではなく、多様なロールモデルの“良いところどり”で自分なりのキャリアプランを描くのも素晴らしい方法だと話し、女性エンジニアが多様な活躍の姿を見つけて輝いてほしいと対談を締めくくりました。

 

6.  TwilioのDEI推進

Twilioは「DEI」(Diversity=多様性、Equity=公平性、Inclusion=包括性)に根ざした文化の推進に取り組んでいます。例えば、多様なコミュニティを包含することを目的とした従業員リソース(ERG=Employee Resource Group)を形成。従業員が自主的に運営するグループで、グループ内で悩みやリソースを共有したり、イベントを開催したりしています。今回のイベントはERGの一つ「Women @ Twilio」が主催したものです。

ERG

 

その他にもTwilioでは多様なチームの構築・公平な体験の推進・包括性を育む環境づくりにおいて幅広いサポートを実施し、社内外のDEI推進に取り組んでいます。

https://www.twilio.com/ja/company/diversity