トレンド その2

よりスマートなチャネル選択によりユーザーの好みを尊重

背景

メール、SMS/MMS(現在はRCSも含む)、WhatsApp、ソーシャルメッセージングアプリなどの主要なチャネルにまだ投資していない場合、このようなチャネルは消費者から世界中で好まれるため、投資先として合理的な選択肢となります。 

メールとSMS/MMSは、世界で最も人気のあるコミュニケーションチャネルであり、それぞれ79%と49%の消費者が好んで使用しています。さらに、RCSを使用したブランドメッセージングの登場により、企業からの1to1メッセージングはさらに進化していくでしょう。 

このデータに基づいてコミュニケーション戦略全体を見直していく前に、チャネルの好みは地域、世代、ユースケースに応じて大きく異なることを忘れないでください。これらの要素については、以下のセクションで詳しく解説します。

世界中の消費者が好むデジタルコミュニケーションチャネル

地域別の好み

地域ごとのチャネルの好みを理解することは重要です。たとえば、ブラジル、コロンビア、ドイツ、メキシコ、シンガポールなどの国では、WhatsAppが広く人気を集めています。しかし、日本では、LINEのようなメッセージングアプリが特に好まれています。これらの地域特性に合わせたコミュニケーション戦略を取ることで、オーディエンスが最もアクティブなチャネルでオーディエンスのニーズに対応でき、エンゲージメントが大幅に向上します。

Understanding regional preferences is crucial to meet your audience where they are the most active at
Understanding regional preferences is crucial to meet your audience where they are the most active at

チャネルの好み一覧表(国別)

企業からのコミュニケーションを受け取る際、どのデジタルチャネルを好みますか?当てはまるものをすべてお選びください。

オーストラリア

ブラジル

コロンビア

フランス

ドイツ

日本

メキシコ

シンガポール

イギリス

US

グローバル

メール

87%

77%

81%

78%

77%

75%

73%

81%

81%

80%

79%

テキストメッセージ機能

59%

30%

54%

49%

27%

36%

40%

41%

50%

66%

49%

WhatsApp

14%

77%

68%

20%

59%

1%

71%

63%

37%

10%

36%

ソーシャルメッセージングアプリ

35%

41%

30%

29%

35%

23%

43%

36%

33%

40%

35%

音声通話

27%

22%

28%

32%

27%

15%

27%

20%

28%

40%

29%

プッシュ通知

18%

9%

19%

11%

20%

16%

21%

28%

18%

20%

18%

一般的なメッセージアプリ(LINE、Telegram、Viber、WeChat)

11%

17%

15%

8%

17%

44%

20%

27%

13%

11%

17%

Each generation has distinct preferences for communication channels, shaped by their unique experiences and technological familiarity
Each generation has distinct preferences for communication channels, shaped by their unique experiences and technological familiarity

世代別の好み

各世代には、独自のコミュニケーションチャネルの好みがあり、それはその世代独自の経験と技術的な知識に基づいています。オーディエンスの各年齢層の具体的なニーズや期待に合わせて戦略を立てるために、踏まえておくべき重要なインサイトをいくつかご紹介します。

  1. 団塊の世代はメールを好む: 団塊の世代の大多数となる87%とX世代の83%が、好きなチャネルとしてメールを挙げています。これに対し、メールを好むミレニアル世代はわずか77%、Z世代は70%にとどまりますです。メールの受信ボックスは、今でも一部の世代には人気のようです!
     

  2. 若年層はプッシュ通知、SNS、メッセージングが中心: ここだけの話ですよ。Z世代とミレニアル世代は、これら3つのチャネルを団塊の世代よりも好む傾向があります。
     

  3. Z世代は実は電話で話したがっている: Z世代がデジタル一辺倒だと思いますか?実はそうでもないんです!デジタルネイティブのZ世代の34%が企業からの電話を受け入れる意向を示しており、実際に電話に出る可能性が最も高い世代です。
     

  4. ミレニアル世代はWhatsAppを支持: ミレニアル世代の5人に2人が、メッセージングアプリを好みのチャネルとして挙げています。 

チャネルの好み一覧表(世代別)

企業からのコミュニケーションを受け取る際、どのデジタルチャネルを好みますか?当てはまるものをすべてお選びください。

Z世代

ミレニアル世代

X世代

ベビーブーマー世代

メール

70%

77%

83%

87%

テキストメッセージ機能

48%

41%

29%

49%

WhatsApp

37%

40%

35%

30%

ソーシャルメッセージングアプリ

48%

41%

29%

21%

音声通話

34%

29%

26%

27%

プッシュ通知

21%

22%

17%

11%

一般的なメッセージアプリ(LINE、Telegram、Viber、WeChat)

21%

20%

17%

8%

ユースケース別の好み

消費者は、コミュニケーションの種類によって好むチャネルが異なるため、さらに複雑さが増します。たとえば、サポートは電話で、セール通知はメールで、緊急通知はSMSで受け取りたいと考える顧客もいます。顧客がアカウント登録時に希望するチャネルを指定できるようにしたり、プリファレンスセンターを導入することで、企業は顧客の好みに合ったパーソナライズされた戦略を展開し、適切なチャネルでのエンゲージメントを実現できます。

以下では、セールスやサポート、マーケティングとプロモーション、ユーザー認証といった主要ユースケースごとの好みについて詳しく説明します。

Channel preferences by use case
Channel preferences by use case

チャネルの好み一覧表(ユースケース別)

企業からの次のようなコミュニケーションをどのように受け取ることを希望しますか?当てはまるものをすべてお選びください。

メール

音声通話

プッシュ通知

テキストメッセージ機能

一般的なメッセージングアプリ

ソーシャルメッセージングアプリ

WhatsApp

その他/該当なし

緊急アラート

56%

35%

23%

56%

9%

8%

22%

2%

予約のリマインド/確認

63%

22%

19%

54%

8%

7%

22%

2%

ステータスの更新

56%

21%

23%

54%

9%

8%

23%

2%

注文確認

79%

15%

18%

42%

8%

7%

21%

2%

製品通知

75%

11%

22%

32%

8%

10%

18%

3%

顧客満足度調査

80%

12%

12%

26%

7%

8%

15%

3%

カスタマーサポート

67%

44%

12%

31%

8%

8%

20%

2%

ロイヤルティプログラム通知

77%

11%

20%

32%

7%

8%

16%

4%

プロモーションおよびセール

79%

10%

20%

32%

8%

11%

18%

3%

2要素認証

62%

18%

16%

56%

7%

7%

17%

3%

Understanding these touchpoints along the customer journey is critical to creating great customer engagement
Understanding these touchpoints along the customer journey is critical to creating great customer engagement

まとめ

すべての接点を成功に導くために

適切なコミュニケーションチャネルを選択するときには、地域、世代、ユースケースの好みを考慮することが重要です。しかし、それだけではありません。忘れてはならないもう一つの重要な要素は、即時性フレームワークであり、適切なメッセージを適切なタイミングで最適なチャネルを通じて提供するための指針となります。

即時性フレームワーク

消費者のチャネルの好みは、メッセージの緊急度によって変わります。最適なチャネルを選ぶ際は、次の2つの点を検討してください。 

  1. どれほど早くメッセージを受け取る必要があるか?(緊急度)
  2. 記録として残したいか?(保存性)

回答の内容により、顧客とコミュニケーションに複数のチャネルを活用する方が良いケースも考えられます。たとえば、モバイルアプリから食品を注文した場合に、ユーザーは、配達通知をSMSやメッセージアプリから受信し、領収書だけメールで受け取ることを希望する可能性があります。優れた顧客エンゲージメントを実現するには、カスタマージャーニーにおけるこれらのタッチポイントの違いを理解することが重要です。

これらの要素をチャネル戦略に組み込むことで、顧客とのコミュニケーションをよりパーソナライズし、効率的に実現できます。