概要

顧客エンゲージメント最新動向

概要

これからはAIの時代。これは誰も否定できないでしょう。2023年は、ChatGPTを筆頭に予測AIや生成AIが進歩し、スマートな顧客エンゲージメントの道が切り開かれました。そして今、企業は従来の一対多パーソナライズの手法を超え、各顧客に合わせた個別体験をできるようになります。 

顧客が気になった広告から商品を購入し、サイズを間違えて注文した場合を想像してみてください。サポートに電話すると、顧客は直近の購入について問い合わせていると予測するバーチャルエージェントによって迎えられます。 その後、バーチャルエージェントが返品手続きを案内、より適したサイズを提案して、速やかに新しい商品を発送します。商品発送後、顧客が好むチャネルを介して、交換した商品のサイズに問題がないかどうかを尋ねるメッセージが配信され、さらに、購入履歴に基づくおすすめ商品も案内されます。 

これが、AIを活用する企業の顧客エンゲージメントの未来です。すなわち、「個別化の時代」です。

企業がどのようにAIを取り入れ、消費者と総合的なつながりを実現しているのか、そして顧客の反応はどうなのか。これらを把握するために、世界中のビジネスリーダーや消費者を対象に調査を行いました。『顧客エンゲージメント最新動向 2024』では、企業が顧客と1対1でつながりをもつために用いている戦略を検証し、主要なトレンドを探ります。さらに、グローバルな統計や世代別の統計を紹介し、企業が競争力を維持するために今から取り組むためのインサイトを提供します。

企業の81%が自社の顧客を深く理解していると回答していますが、現実では顧客の半数未満(46%)がこれに同意しています。

調査手法

回答者の居住地は、オーストラリア、ブラジル、チリ、コロンビア、フランス、ドイツ、香港、インド、インドネシア、イタリア、日本、マレーシア、メキシコ、フィリピン、シンガポール、スペイン、英国、米国の18か国です。

顧客エンゲージメント成功企業の定義と成功の秘訣

高度な顧客エンゲージメントを有する企業の成功体験からインサイトを引き出すために、調査対象の各企業に顧客エンゲージメントの成熟度スコアをつけました。 

そのスコアに基づいて、各企業を「低成熟度」「中成熟度」「高成熟度」の3つのグループに分類しました。高成熟度に分類された企業をエンゲージメントリーダーと呼ぶことにします。エンゲージメントリーダーと判断されたのは、全体(4,750社)の17%でした。 

これらの高成熟度企業は、オムニチャネルエンゲージメントの提供、顧客体験のパーソナライズ、ファーストパーティデータの受け入れにおいて、他社をリードしています。

 

顧客エンゲージメントの成熟度スコアは、次の3つの要素に基づいています。

  • Computer with bar graph
    デジタル化のレベル

    現在、顧客エンゲージメント全体の何%がデジタル化されているか?

  • User with a heart symbol
    パーソナライゼーションの頻度

    どのくらいの頻度で顧客エンゲージメントをパーソナライズしているか?

  • Target symbol with envelope in the middle
    マーケティング戦略で依存している顧客データの種類

    マーケティング戦略は、どのような顧客データに依存しているか?

エンゲージメントリーダーの平均値

82%以上の顧客エンゲージメントをデジタル化

顧客エンゲージメントの70%をパーソナライズ化

マーケティング戦略は主にファーストパーティデータに依存

これらに加え、エンゲージメントリーダーは顧客理解に必要なデータを有しているかの設問に対して「強く同意」との回答が約5倍高くなります。また、CRM、CPaaS、コンタクトセンター、顧客エンゲージメントプラットフォーム(CEP)でAIを活用する傾向も高くなります。このような戦略的投資が、利益をもたらしていると考えられます。

こうした先進的な企業では、顧客エンゲージメントへの投資により、2023年の売上が前年対比で平均123%増加しました。これに対し、低成熟度グループではわずか30%でした。 

彼らは高い顧客維持率を達成しており、成熟度の低い企業が43%にとどまる中で77%を記録しています。また、2024年には平均で16%の増加が見込まれます。

2023年のデジタル投資による前年対比増分売上

2027年までのデジタル投資増分額(予測)

エンゲージメントリーダーは、デジタルエンゲージメントの時代が到来することを認識しているため、今のうちから投資を増やしています。実際のところ、エンゲージメントリーダーの94%が、2024年は顧客エンゲージメントのパーソナライズが極めて重要になると回答し、デジタル顧客エンゲージメントへの投資は2027年までに133%増になると予測しています。

これらの先進的な企業は、適切なツールを技術スタックに取り入れ、AIを活用することで、高まる顧客のパーソナライゼーションおよびエンゲージメントの期待に応えるだけでなく、期待以上の成果を上げることができる体制を整えています。