Cookieレスな時代に対話型メッセージングで対処

December 22, 2022
執筆者
レビュー担当者

この記事はJessica Nathこちらで公開した記事(英語)を日本語化したものです。

Twilioのレポート「顧客エンゲージメント 現状分析 2022」によると、半数以上の組織がCookieのない未来に対する十分な準備ができていないと感じているようです。しかし、Googleは2024年後半にサードパーティーCookieを廃止すると発表(英語ブログ)しています。(日本語編集上の補足: この発表に関するGoogle社のウェブサイトはこちら

企業はこれまで、パーソナライズされた体験を提供するために、サードパーティーデータ、つまりCookieを利用して顧客の情報を収集してきました。Apple社はすでにSafariブラウザでサードパーティーCookieを廃止し、Firefoxブラウザも現在ではブロックしています。前述のようにGoogle社もこれに追随すると発表しており、多くの人がこれをCookieの死とみなしています。

では、企業はどのようにして顧客にパーソナライズされた体験を提供しながら、Cookieのない未来を乗り切ればよいのでしょうか。

その答えのひとつが、対話型メッセージング(英語ページ)です。

対話型メッセージングでは、WhatsAppやFacebook Messengerなどのチャネルで、ブランドと消費者の間で双方向のコミュニケーションが行われます。消費者は、実際に店頭で会うのと同じようにデジタル上でパーソナライズされたケアを受けることができ、企業はそのケアを大規模に展開する能力を持ちます。消費者との関係を築き、消費者から直接、消費者について学ぶことができる方法なのです。

対話型メッセージングでは、消費者はメッセージを開始するか、(対話開始の前段階として)電話番号を提供することで、対話へ参加することを選択します。その時点から、チャネルの好みからプロフィール上の属性まで、消費者についてより詳しく知ることができるようになり、よりパーソナライズされた体験を提供することができます。

以下では、来たるべきCookieのない未来を乗り切るために対話型メッセージングがどのように役立つかを説明します。

顧客はパーソナライズされた体験を重視し、それを期待しています。実際、当社のレポート「顧客エンゲージメント 現状分析 2022」によると、自分の体験がパーソナライズされていない場合、3分の2近くの顧客がそのブランドの利用をやめると回答しています。

しかし、顧客はよりパーソナライズされた体験を求め、そのためにはデータが必要だと理解しつつ、その一方で自分のデータについて、その収集・管理方法に対してブランドに高い保護意識をもってもらいたいと思っており、「あちらを立てればこちらが立たず」といった状況にあるとも言えます。

では、Cookieを使わずにパーソナライズされた体験を提供し、かつ顧客データを保護するにはどうすればよいのでしょうか。

その答えが、ファーストパーティーデータとゼロパーティーデータです。

企業は、自社のオウンドチャネル、特にWebサイトでの直接的な顧客エンゲージメントを通じてファーストパーティーデータを収集しています。たとえば、顧客がウェブサイトをクリックしたり、カーソルを置いたり、読んだりするなどのインタラクションは、ファーストパーティーデータとみなされます。これらの行動は追跡され、顧客プロフィールを構築するために使用されますが、データ収集の形態としては受動的とも言えます。

一方ゼロパーティーデータは、ビジネスと顧客がより積極的に交流するデータと言えます。例えば、製品のクイズやアンケートに参加する顧客は、ゼロパーティーデータを貴社に提供していることになります。顧客は、自分自身に関する情報や質問の返答を積極的に貴社と共有し、貴社はその情報を取得・保存・分析することで、顧客の今後の体験をパーソナライズすることができます。また、顧客からよく寄せられる質問を理解し、ボットなどによる自動化機能を向上させるためにも利用できます。

そこで登場するのが、対話型メッセージングです。

対話型メッセージで顧客をより良く理解するには?

消費者は、助けを得るための最も迅速で簡単な方法は、通常誰かと話すことであることを知っています。対話型メッセージの人気が高まっているのには、このような背景があると考えられ、実際に当社のレポート「Conversational Messaging Trends Report」(英語)によると、80%の消費者がブランドによる対話型メッセージングの提供を望んでいます。

一方、対話型メッセージは顧客に好まれるコミュニケーションであるだけでなく、ブランドがCookieのない新しい未来に立ち向かう際にも役立ちます。

対話型メッセージングは、顧客が製品やサービスについて問い合わせたい場合、または購入を検討する場合に、企業との会話を顧客側が開始する入り口と位置づけられます。これらの会話は、ウェブサイト上のウィジェットにおけるチャット、企業の電話番号へのSMS送信、広告のクリック、または検索結果から直接チャットに参加することで開始できます。対話型メッセージングでは、顧客が**自ら**企業に情報(ゼロパーティーデータ)を提供し、企業はそれを使ってよりパーソナライズされた体験を作り出す好循環が期待できます。

例えば、消費者がFacebookをスクロールしているときに貴社ブランドの靴の広告を見つけたとします。この消費者はその靴のスタイルを気に入っていますが、幅の広い足でも快適に履けるかどうかを確認したいと思っています。対話型メッセージングを使えば、消費者はメッセージでフィット感や履き心地について即座に質問することができます。消費者は購入に結びつきそうな答えを持って対話を終え、貴社は消費者が幅広の足であるという重要なデータを手に入れました。

対話型メッセージングでは、顧客の側にエンゲージメントの主軸を置くため、顧客は企業に対してより積極的に情報を提供するようになります。また、顧客にメッセージを“浴びせ”るのではなく、対話を通じてコミュニケーションの導線を築くことに重点を置いているため、相互にとって有益で信頼性の高いインタラクションになります。実際、95%もの消費者が、簡単に対話を始められる導線が存在するなら、そのブランドをもっと信頼すると答えています。

では、対話型メッセージングが何やら有効そうだと理解できたとして、ブランドはどのようにその導入を検討開始すればよいのでしょうか。

対話型メッセージング戦略の設定⇒パーソナライズされた顧客体験の提供

対話型メッセージではファーストパーティーデータも重要です。ウェブサイト、アプリケーション、ソーシャルメディアなどのオウンドチャネルにおける顧客や潜在顧客の反応を見ることで、顧客が何に反応しているのかをよりよく理解することができます。その結果、特にソーシャルメディア広告において、ターゲットを絞ったより良い広告を出稿できるようになります。

ターゲットを絞った広告であれば、顧客との対話のきっかけになることは間違いありません。実際、消費者全体の64%が、広告というきっかけを通してブランドに直接メッセージを送る可能性があると答えています。始めるための1つの方法はA/Bテストです。ランディングページに誘導するCTA*(シナリオA)とメッセージング体験に誘導するCTA(シナリオB)の広告コンバージョンを見て、顧客がどちらを好むか確認することができます。(* コールトゥーアクション)

対話型メッセージングを推進する場合、広告のCTAは、単に顧客に売り込もうとするのではなく、その対話を促進するようなものにしたいですね!この場合の広告CTAは、「Let's talk!」や「Message to learn more!」など、お客様がブランドと会話するための道筋を開くものです。クリックは、顧客が製品やサービスに興味を持っていることを示すだけでなく、ターゲット層がどのような広告を好むかを確認することで、ブランドがより詳細な情報を得られるようにします。

またファーストパーティーデータは、顧客がどのチャネルを好んで利用するかを企業が理解するのにも役立ちます。例えば、ほとんどのウェブサイトには、各チャネルにリンクするソーシャルメディアアイコンがあります。その中にはWhatsAppも含まれている場合も少なくありません。また顧客がアカウントを新規作成する際に、好みのチャネルを尋ねることもできます。このようなデータを収集することで、顧客がどのチャネルを頻繁に利用しているかを理解し、そのチャネルで顧客とつながるために事業資源を集中させることができます。Facebook Messenger、Google Business Messages、WhatsAppなど、貴社ビジネスはどのチャネルで顧客と効果的に関わることができるかを把握できるのです。

そこからは、つながりの循環です。ウェブサイトでどのように顧客と接するかによって(ファーストパーティー)顧客についてより深く知ることができ、同時にメッセージを通じて顧客から直接データを収集することができます(ゼロパーティー)。それらデータはすべて、より良い対話をするために再利用することができます。だからこそ、ファーストパーティーとゼロパーティーのデータを活用できる企業が、これからのCookieのない未来を切り開くことができるのです。

2022年9月リリースのレポート「対話型メッセージング 〜 次世代の“店頭”体験」(英語)では、対話型メッセージングがどのように顧客とのつながりを深めるのに役立つかについて詳しく説明しています。ぜひご活用ください。

ジェシカ・ネイスはTwilioのコンテンツマーケティング担当です。現在、ユタ州ソルトレイクシティ(2002年の冬季五輪開催都市!)に住んでいますが、スキーはしません(笑)。(連絡先は、jnath [at] twilio.com)