2023年の顧客エンゲージメントを予測 〜 重要戦略トップ5

January 24, 2023
Written by
Reviewed by

CEStratPredictionsTop5for2023jp

この記事はSteph Dollanこちらで公開した記事(英語)を日本語化したものです。

現在の経済情勢が顧客エンゲージメントに関するあらゆる戦略に影響を及ぼすなか、規模や業界を問わず、企業は最新のトレンドを検討する必要があり、正しい検討が行われないと適応することが困難となります。組織が顧客とのつながりを深め、具体的なビジネス成果を上げるために、顧客エンゲージメント業界のリーダーとしてTwilioでは、各社における顧客エンゲージメント戦略が2023年にどのように適応する必要があるか、その予測のトップ5をまとめました。

1. 顧客獲得と維持の効率化が最優先課題

経済的な逆風があらゆる企業に影響を与えるなか、予算は引き続き精査されています。そのため、インパクトのある顧客エンゲージメント戦略を推進する部門にとっては、効率的な顧客獲得(CAC)と顧客生涯価値(LTV)の最大化が重要な焦点となっています。

優れた顧客エンゲージメントを実現するには、企業が顧客を真に理解することが不可欠です。そこで重要になるのが(顧客)データです。データをリアルタイムに収集・統合することで、ブランドは強固な顧客プロフィールを構築することが可能となり、顧客プロフィールを活用することで、マーケティング、セールス、サポートの各部門に、いつ、どのように、どこで顧客と接すれば最も効果的かを正確に伝えることができます。このようなデータは、あらゆる顧客接点上で活用することができ、見込み客を顧客へコンバートし、顧客をブランドの支持者にするという形で、独自の顧客ジャーニーを提供することができます。

この経済状況では、ブランドは効率的に顧客を獲得し維持する必要があり、さらにどの戦術が本当に効果的であるかを理解する必要があります。そうすれば、どこを強化すべきか、また正しい結果が得られていない場合は、いつ方向転換すればよいかが分かります。

2. パーソナライズには精度が必要不可欠に

パーソナライズが重要であることは誰もが承知しています。しかし、顧客エンゲージメント戦略において顧客ロイヤルティを高めるためには、精度、つまりパーソナライズをいかに正確に行うかが、同じくらい重要になってきています。

例えばある靴のブランドが、あなたがスニーカー好きであることを知らずに、郵便番号から地域を紐解き、その地域の暖かい気候に基づいてサンダルの広告を出したとします。(これはこれで努力の跡が見られるのですが)あなたはむしろ、どのような靴が好きかを尋ねてくれるブランドの方に信頼を感じ、そちらのブランドで買い物をしたいと思いませんか?

この例に見られるように、ファーストパーティーデータ(ブランドとのやり取りに伴い収集される名前や住所などのデータ)は、ゼロパーティーデータ(あなたが共有することを選択したデータ〜例: あなたが誰で何が好きか)に取って代わられつつあります。ブランドは前述の信頼を得ることで、顧客一人ひとりから信頼されるアドバイザーとなり、素晴らしい体験を提供し、ブランド支持を促進することができます。

あなたが自分の好みを信頼できるブランドと共有することができれば、3週間前から狙っていた白いスニーカーがやっと発売されたときに、ブランドはあなたにメールやSMSを送ることができます。こういった体験を通して、ブランドは顧客とより深く、より永続的な関係を築くことができるのです。

3. 透明性と信頼は譲れないものに

企業がデータを収集・利用する方法について、消費者の嗜好の変化が大きな影響を与えつつあります。消費者の大多数は、企業とのエンゲージメントがパーソナライズされることを望んでいますが、それは「データに関する透明性と管理性が伴う前提の下で」となります。

企業が消費者の信頼を築きたいのであれば、消費者データをどのように利用するのかについて誠実でなければならず、消費者が自らの情報を十分にコントロールできるように対処・準備する必要があります。2024年に予定されているサードパーティークッキーの廃止(Chromeブラウザによるその最終段階)を考慮すると、このような信頼はさらに重要になります。

弊社の「顧客エンゲージメントの現状」レポート(2022年版)によると、マーケティング戦略において81%の企業がサードパーティーデータにまだ依存していると回答しています。しかしCookie(クッキー)やその他のトラッキング技術は、その侵襲的な性質から、何年も前から脅威にさらされてきました。これらの技術であれば、消費者が十分に理解していないところで、隠れた、そして広範なトラッキングが可能となってしまうのです。規制の強化、信頼に対する消費者の要求、強制的な措置、大手ハイテク企業による廃止などが相まって、クッキーは終焉の最終段階を迎えています。

調査会社Forresterによると、「企業のデータの扱いに対して個人が高い信頼を感じている場合、結果として企業に高い収益がもたらされ、深いエンゲージメントが形成されやすく、また企業の顧客エンゲージメント施策の間違いが許されやすい状況となり、企業とデータを共有することに個人は積極的になります」。また、マーケットインテリジェンスを提供する世界有数の企業であるIDCによれば、「顧客データを信頼できる方法で収集、分析、文脈化する企業は、顧客生涯価値を倍増させる創造的なビジネスと価格設定モデルの構築に2027年までに成功するだろう」と述べており、本節でカバーする「信頼」の重要性を裏付けています。

この信頼を醸成するためには、特にデータ規制を遵守し、ブランドから関わりを受けたいと感じている顧客にのみ関わることで、一貫して顧客のデータ選好を尊重するアプローチをブランドは確実なものにする必要があります。これにより顧客の信頼が向上し、結果として通話、Eメール、SMSの配信性が高まり、顧客エンゲージメント戦略の全体的なROIが向上するのです。

4. カスタマーサービスが「受け身」から「攻め」に

カスタマーサービスで、担当者が同じ情報を何度も尋ねてきてイライラした経験は誰にでもあるでしょう。そのような場合、担当者はこれまでのやりとりの文脈を知らないので、あなたは自分の置かれた状況を再び説明することになります。例えば、航空会社がフライトをキャンセルした場合、再予約のプロセスで何度も予約番号を伝えなければなりません。このような場合、航空会社のカスタマーサービス担当者が、そのような情報をすべて手元に控えておいてくれたらと思いませんか? あるいは、キャンセルされたフライトを再予約するために、乗客に連絡を取ってくれたらもっといいのではないでしょうか?

「攻め」のエンゲージメントはカスタマーサービスの近未来です。顧客のニーズを予測し、それに積極的に対応するサービス体験を消費者は期待するようになります。この攻めのアプローチは、困りごとの解決の文脈にとどまりません。アプリやウェブサイトでの(情報収取といった)体験においても、顧客エンゲージメント戦略の中で信頼を築き、コンバージョンを高める視点が重要で、そのためには購入前の顧客に対して攻めの姿勢でエンゲージする必要があります。

5. 消費者は結束力のあるオムニチャネル体験を求めるように

近年、消費者がブランドとの顧客接点チャネルの数が急増しています。その結果、顧客ジャーニーはさらに非直線的になり、顧客について本当に理解していることをブランド側が示すことが難しくなっています。

スニーカーの例に戻りましょう。昔なら、あなたはそのブランドのウェブサイトを訪れ、レビューを読んで購入したかもしれません。今であれば、スニーカーブランドのウェブサイトを訪れ、価格が適切でないと判断し、数週間後に再び訪問し、カスタマーサービスに連絡して質問をしてから、カートに入れた後、再び離脱してしまい、どこか他で広告を見てから、実店舗でその靴を購入するかもしれません。お客様の次の行動をブランドが予測するのは簡単なことではなく、多様な顧客接点で適切なコンテンツを適切なタイミングで提供し、「あなたのことを理解しているんですよ」とお客様に理解してもらうことには、労力が必要となっているのです。

言い換えれば、ブランドの顧客エンゲージメント戦略には、さまざまなチャネルで一人ひとりのニーズを先取りした体験を提供し続けることが求められているのです。IBM Research Insightsのレポートによれば、「今日の顧客は買い物の仕方の点では多様であるものの、小売業者やブランドが物理的にも、文脈的にも、そして顧客ジャーニー上のどこに居ようとも、サービスを提供できるように準備万端でいてほしいという期待では一致している」のです。

そして現在の経済状況では、オムニチャネル指向の顧客エンゲージメント戦略をマスターすることが、より重要な差別化要因になります。そのため、Forrester社はブランドに対して、「顧客が2023年に消費に消極的になるとは思わないでほしい」とアドバイスしています。一方で、「顧客はより選り好みするようになり、パンデミックで加速したデジタルな流動性と、以前の時代の親しみやすさや親密さを融合した、より少ない、より豊かな体験を求めるようになるだろう」と予想しています。

顧客エンゲージメント戦略は、今後も間違いなく変化していくと考えられます。先を見通して適応することができる企業こそ、成功を収めることができるのです。Twilioでは、企業がこれらの課題を克服し、顧客と深く永続的な関係を築くために必要なツールと専門知識を提供したいと考えています。Twilioの顧客エンゲージメントプラットフォームがどのように貴社のお役に立てそうか、詳しくはこちらをご確認ください。顧客エンゲージメントの未来を創造しましょう!

Steph DollanはTwilioのシニアプロダクトマーケティングマネージャーで、Twilioの顧客エンゲージメントプラットフォーム(CEP)関連のあらゆることに取り組んでいます。革新的な顧客エンゲージメントを通じて、企業がいかに顧客と深い関係を築き、ブランドを不可欠なものにするかについて話すことが好きです。連絡先は sdollan [at] twilio.com です。