Twilio Elastic SIP TrunkingとGenesys Cloud、絶賛連携中です!

July 13, 2021
執筆者
レビュー担当者

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この記事は、プロダクト管理担当のAnnie B. Pelaezが、こちら(英語)で執筆した記事を日本語化したものです。

Genesys Cloudサービスへの移行を計画しているコンタクトセンターのマネージャーやアーキテクトは、それまであまり考えたことがないような重要な検討を迫られます。お客様をGenesys Cloudにどのように接続するのがベストかという検討事項です。Genesys Cloudの利用企業には大きく3種類のPSTN(公衆電話網)接続オプションがあり、そのそれぞれにおいて、事業のアジリティ、コスト、顧客体験などの要因に影響するトレードオフの状況に遭遇します。

Genesys Cloudでは、 “Bring Your Own Carrier (BYOC)” アプローチを提供しており、企業はGenesys Cloudの音声サービスをビジネスニーズに応じて柔軟に選択することができます。TwilioをはじめとするサードパーティプロバイダのグローバルなSIPトランクサービスを活用し、地理的なカバー範囲、価格、柔軟性などのメリットを享受することができます。

Genesys Cloudのネイティブボイスサービス 〜 デプロイメント面での柔軟性

Genesys Cloud Voiceサービスは、ワンストップショップによる簡素化を提供します。DIDやフリーダイヤルといった電話番号を購入したり、PSTNサービスを有効にすることが、Genesys Cloudの管理ポータル上で簡単に行えます。また、サードパーティのサービスプロバイダから番号移行することもできます。これにより、コンタクトセンターのマネージャーやアーキテクトは、エンドツーエンドのクラウド・コンタクトセンターサービスを迅速かつ容易に管理することができます。

(筆者追記: Genesys Cloud Voiceサービスは日本国内のお客様向けには提供されていませんので、参考までにお読みください。)

Genesys Cloud Voiceサービスは北米や欧州で提供されており、サービスには、PSTNポイント・オブ・プレゼンス(PoP)や、これらの国でのDID番号やフリーダイヤル番号の購入機能が含まれています。他の地域にも拠点を持つグローバル企業の場合、TwilioのElastic SIP Trunkingを選択することで、国内と海外の両方のニーズに対応することができます。2つ異なるニーズを1社の契約下でまとめて提供することにより、通話量に応じたコスト削減効果が得られる可能性が生じますし、また、国際的な通話ニーズによっては、アウトバウンドコールのルーティングの効率化やコスト削減を図ることができるかもしれません。

BYOC構成とは

技術的に言えば、BYOC (Bring Your Own Carrier)とは、Genesys Cloudが提供するオープンなテレフォニーインターフェースであり、TwilioのElastic SIP Trunkingサービスのような互換性のあるPSTNサービスプロバイダとの接続を可能とします。これにより、Genesys Cloudはサードパーティのサービスプロバイダを連結ポイントとして、PSTN経由の通話を発着信することができます。このインターフェースは標準化団体IETFのプロトコル“SIP”に準拠しており、同時並行の各電話セッションはトランクと呼ばれます。このため、PSTNアクセスプロバイダは、SIPトランクサービスプロバイダと呼ばれています。

Zoom Phone、Microsoft Teams、Cisco WebEx など、クラウドコミュニケーションの多くのサービスプロバイダがBYOCをサポートしています。PSTNへのアクセスをアプリケーションサービスから切り離すことで、自社のコアコンピタンスに集中することができる一方で、贔屓のプロバイダのSIPトランクサービスを選択する自由を顧客に与えることができるからです。

Genesys Cloud BYOCデプロイメントモデルの概要

BYOC Cloud構成は、Genesys Cloudとサードパーティプロバイダの間に直接SIPインターフェースを提供します。

Gnesys Cloud BYOC with Twilio Elastic SIP Trunking JP

Genesys社は、同社のクラウドサービスといくつかのSIPトランクサービスプロバイダとの互換性を動作検証しており、それらはGenesys社のマーケットプレイスのプログラムであるAppFoundryサイトに掲載されています。(画面右上部の地球儀アイコンで言語選択を日本語にすると、日本語の記載を確認いただけます。)

BYOCのトレードオフとは?

BYOCは、すべてのGenesys Cloudのお客様にとって最良の選択とは限りません。メリットとデメリットを慎重に検討し、最終決断する必要があります。

BYOCのメリット:

  • より多くの国でDID番号やフリーダイヤルが利用可能 (アジアや南米など)
  • 安価なPSTN利用料金
  • Genesys Cloudへの通話ハンドオフ前にルーティングポリシーを適用できる柔軟性
  • 電話番号の迅速なプロビジョニング
  • 運用の簡素化 - Genesys Cloudのトランクを他のトランクサービス (テレフォニー、UC、コンファレンスなど) と統合可能

BYOCのデメリット:

  • 管理の複雑さ - 設定ステップ数項目について、プロバイダ2社間で要調整となる点
  • 契約時のオーバーヘッド - SIPトランクプロバイダを選択する際や、追加ベンダへの支払い管理を行う際の時間と労力

BYOC構成の選択基準

Genesys Cloudの多くのお客様との議論を通して、BYOC構成を検討すべき2つのユースケースが浮かび上がっています。先ず最初はグローバル企業であり、多彩な国際電話番号のご用意とそれに伴う顧客体験の向上(例: 自国/最寄りの番号へ問合せの通話を掛けられる)から恩恵を受けるという姿です。次に、通話量の多いBPO(ビジネスプロセスのアウトソーサ)やコンタクトセンターは、国内と海外のトラフィックをPSTNプロバイダ1社にまとめることで、さらなるコスト削減から恩恵を受けるという姿です。

さらに、新しいサービスを迅速かつ簡単に番号に割り当て、コールルーティングを制御する際の柔軟性や制御性を求める場合、BYOC構成の優位性が顕著となります。たとえば、SIPトランクサービスプロバイダ(例: Twilio)は、さまざまな条件(例: ANI(発信者番号)、場所、時間帯)に基づいて、特定の通話をまた別のコンタクトセンターサービスにルーティングすることもできます。このような柔軟性は、クラウド型コンタクトセンターのサービスプロバイダの得意とするところでは必ずしもありません。

Twilioサービス+Genesys Cloud BYOC - 豊富な実績

Twilio Elastic SIP Trunkingは、Genesys Cloudをご利用のお客様にとって、豊富な実績が物語るグローバルPSTN接続ソリューションです。当社のSIPトランクサービスを複数のGenesys Cloud顧客に導入した経験を持つ当社は、通話コストを削減し、約100カ国のユーザーにローカルな顧客体験をお届けすることができます。

Twilio社のGenesys Cloud BYOC向けソリューションは、相互運用性が検証されており、Genesys AppFoundryサイトに掲載されています。Genesys Cloudのプロダクト管理部門のダイレクターZach Brettnacher氏は以下のようにコメントしています -「Twilio社をパートナーとして迎えることができ、大変嬉しく思っています」。Brettnacher氏は同時に、「Twilio Elastic SIP TrunkingサービスはGenesys Cloudを補完する優れたサービスであり、我々の共同顧客にオンデマンドでグローバルなPSTN接続を提供します」と述べています。(本段落冒頭のリンクについては、画面右上部の地球儀アイコンで言語選択を日本語にすると、日本語の記載を確認いただけます。)

Twilio社は、北米のSIPトランク業界でOmdia社からトップランクのSIPトランクサービスプロバイダとして認められているSIPトランクサービスの第一人者です。

  • 低コスト - フリーダイヤルとDIDの利用料は業界最低水準です。
  • 100カ国の電話番号 - 100カ国以上でフリーダイヤルおよびDID電話番号を購入可能
  • オンデマンドサービス - 世界各国の電話番号やトランクサービスを、Twilioの管理ポータルやAPIを使って数分でプロビジョニング可能
  • 柔軟性とコントロール - さまざまなルーティングサービスや補完的なアプリケーションをトランクに追加することができます。
  • 統合 - TwilioのSIPトランクは、お客様のすべてのコミュニケーションサービス(例: VoIP、UC、コラボレーション)にPSTN接続を提供いたします。

これらの利点に加え、グローバルなTwilioスーパーネットワークの信頼性と当社のオートスケーリング能力により、Twilio Elastic SIP Trunkingはお客様にとって優れた選択肢となります。

BYOCが生み出す可能性を探る

GenesysのBYOC機能は、コンタクトセンターのマネージャーやアーキテクトに幅広い選択肢を提供します。Genesys AppFoundryサイトの該当タイル上で数回クリックするだけで、Genesys Cloudを補完する代表的なSIPトランクサービスにアクセスでき、しっかりと検証されている連携ソリューションを安心して導入することができます。それがTwilio Elastic SIP Trunkingの場合、両者を利用されるお客による豊富な導入成功例があるため、さらに信頼性が高まります。(Genesys Cloud BYOC & Twilio Elastic SIP Trunkingの設定ガイドも適宜活用ください。)

Genesys Cloudサービスとお好みのSIPトランクサービスプロバイダを組み合わせることで、コンタクトセンターのアジリティを高め、コストを削減し、顧客体験を向上させることができます。この柔軟性は、お客様にとって大きなメリットとなります。