Deliverability InsightsとMessaging Insightsでキャンペーンを最適化

March 23, 2022
執筆者
レビュー担当者

Introducing Deliverability & Messaging Insights JP

この記事はDenis O'Sullivanこちらで公開した記事(英語)を日本語化したものです。

受信ボックスやメッセージングのチャネルで成功を収めるのは、並大抵のことではありません。毎日何百万通ものメッセージが送信される中、マーケティングキャンペーンの効果があったかどうかを知ることは困難です。そこで、お知らせ等のトランザクション系メールとマーケティングメールのための顧客コミュニケーションプラットフォームであるTwilio SendGridの出番となるのです。

Twilio SendGridのDeliverability Insights機能とTwilioのMessaging Insights機能(いずれの機能も正式リリース済み)は、メールやメッセージングといったチャネル上で単にメッセージを配信するだけでなく、配信状況や結果を振り返るなかでより多くの知見を得ることが可能となります。特に、マーケティングキャンペーンの文脈では、こういった振り返りが重要となるでしょう。またどちらも、Twilioのプログラマブル・コミュニケーションスイートのツール群とシームレスに統合しています。

顧客を理解するには、データが重要であることは言うまでもありません。タイミングやコンテンツに対する顧客の反応を追跡することで、マーケティングキャンペーンを顧客のニーズに合わせて進化させることができます。そのためには、キャンペーンの稼働指標に合理的にアクセスできる必要があります。APIから取得したデータを都度サーバーに保存することができますが、Twilioではコンソール画面内に使いやすいダッシュボード機能も用意し、メールや各種メッセージングチャネルによるマーケティングキャンペーンの稼働性能を確認できるようにしています。

メールの場合、メール配信プログラムの健全性を確認するために監視すべき重要な指標は、スパム(迷惑)メールと報告された率、購読解除率、ハードバウンス率、ユニーク開封率です。

こうした重要指標の値は、下記範囲内となるように稼働性能を維持することが推奨されます。

  • スパムと報告される率は0.08%未満が理想的です。
  • ハードバウンス率は、送信するメールの種類にもよりますが、0.5%未満に維持したいところです。
  • ユニーク開封率は、健全なマーケティングメールキャンペーンの場合、一般的に10%とされていますが、最近ではAppleのメールプライバシー保護*1の影響を受け、開封率が上昇しています。ただし、TwilioのApple Open Indicator*2ツールを使用すれば、保護機構の影響による機械的な開封を計算式の中で除外できます。

(*1 関連ブログ「Apple Mail Privacy Protection in 2022: Guide for Email Senders」(英語)、*2 関連ブログ「Identify Anonymous Opens With Apple Open Indicator」(英語))

メッセージングの場合、エラーやオプトアウト率といった重要指標を追跡しつつ、サービス利用ポリシーへの遵守状況や、プロバイダーやキャリアのフィルタリングが最小限に抑えられているかを確認します。

メールと場合と同様に、これら重要指標の値は、下記範囲内となるように稼働性能を維持することが推奨されます。

  • エラーは、5%を超えるとキャリア側で問題となるため、3%未満が理想です。エラーコードを確認することで、よくある問題を素早く把握して問題事象の解析を行い、配信到達性の向上を図ることができます。
  • オプトアウトの意思表示は、1日あたり3%を超えるとフィルタリングされる可能性があるため、1%以下が理想的です。

会社がメールとSMSのどちら(または両方)に重点を置いているかにかかわらず、データへのアクセスは重要です。上記データはすべて、Deliverability Insights*3(メール用)やMessaging Insights*4(SMS用)でご覧いただけます。

(*3 関連ブログ「Get Started With Deliverability Insights」(英語)、*4 関連ブログ「Announcing General Availability of Messaging Insights」(英語))

Deliverability Insights

GmailやHotmailなど、メールプロバイダーごとにメールの量や指標を分けることは、メール配信プログラムの稼働性能を判断する上で非常に重要です。Deliverability Insightsは、見やすく分かりやすいダッシュボード機能で、メール配信プログラムの健全性を監視し、最適化します。Deliverability Insightsでは、主要なメールプロバイダーごとのメール量、開封率、スパム報告率などの全体的な傾向を素早く確認することができます。

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また、メール送信時のバウンスやブロックの理由に注意することも、メール配信プログラムの健全性を監視する上で非常に重要なポイントです。メールプロバイダー間では、バウンスやブロックコードが統一されていないため、送信者は毎日何千種類ものブロックコードやバウンスコードを目にすることになります。Deliverability Insightsは、こうした多数のコードを解読する際の混乱をなくし、バウンスやブロックの各コードを自動で分類し、送信したメールが受信ボックスに届かない理由を迅速に見つけられるようになります。

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Messaging Insights

Deliverability Insightsと同様に、Messaging Insightsを利用することでSMS等の配信到達性の確認が可能という操作性に優れたツールです。Messaging Insightsなら、配信結果の分析、問題の特定・解析・対処、配信プログラムの最適化に加え、受信者とのエンゲージメントを高められる部分を見つけることもできます。

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[Delivery & Errors](配信とエラー)タブでは、稼働性能を調べる一方で、さらなる知見を得たり、特定のキャリアをフィルタリングで除外したりすることもできます。特定のキャリアでエラー率が悪化しないようにすることが重要ですが、こういった状況の場合、エラーコードを調べ、共通点やエラー解決の機会を探りましょう。

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Messaging Insightsは、Deliverability Insightsとともに、顧客エンゲージメント戦略を最適化するための強力な分析ツールです。どちらも、メールやメッセージングといったコミュニケーションを通じた顧客エンゲージメントの状況を把握するのに役立ちます。また、経験に裏打ちされた提案が画面上に提示され、マーケティングキャンペーンを最適化し、より良い結果を得られるよう支援します。こういった実用的なダッシュボードの活用により、メッセージの有効性に知見がもたらされ、マーケティング戦略の全体像把握が可能となり、メッセージの配信到達性を向上させ、投資収益率を高めることができるのです。

Deliverability InsightsとMessaging Insightsでキャンペーンを最適化

Deliverability Insightsは現在Twilio SendGridアカウントでご利用いただけます。ご利用の際はドキュメントをご確認ください。また、Messaging InsightsはTwilioコンソールでご利用いただけます。ドキュメントで詳細をご確認ください。

メールやメッセージングに関するより実践的なガイダンスについては、Twilioプロフェッショナルサービスチームまでお問い合わせください。