2025年 6月26日 – Tokyo, Japan

「個人データを企業に安心して預けられる」日本人はわずか7% ― 調査対象国中、最低レベルに: Twilioの「顧客エンゲージメント最新動向」第6回年次レポート


日本の消費者のうち56%が「自分に関係のない体験」に見切りをつけると判明――

リアルタイムでパーソナライゼーションを行い、透明性を重視するブランドが、

結果的に顧客のロイヤリティと信頼、そして収益を獲得

 

 

東京―2025年6月26日――リアルタイムかつパーソナライズされた顧客体験を提供するカスタマーエンゲージメントプラットフォーム、Twilio(トゥイリオ) は、本日、第6回目となる「年次調査レポート顧客エンゲージメント最新動向 (2025 State of Customer Engagement Report)」を発表しました。このレポートは、日本を含む18か国の7,600人以上の消費者と600社以上の企業の声をもとに対象に実施したグローバル調査に基づいています。その結果、AIは明確なROI(投資対効果)を生み出している一方で、企業が消費者の信頼を獲得し、リアルタイムにその場に最も適切な体験を提供できなければ、消費者のニーズを失うリスクがある傾向を浮き彫りになりました。

すべての支出が厳しく問われるマクロ経済環境において、企業にとって顧客との関係性の維持ははこれまで以上に重要性を増しています。日本企業の大多数、94% (グローバル:96%、以下同じ) は、カスタマーサポートやマーケティング、パーソナライゼーションといった顧客対応業務においてAIが効果を発揮していると感じており、78% (75%) はそれらの取り組みが売り上げの増加にもつながっていると述べています。

そして、グローバルでは83%の企業が「自社は顧客を深く理解している」と自信を示しているのに対し、日本企業は56%にとどまっており、これは調査対象国の中で最低レベルとなっています。

一方で、「自分は企業に理解されている」と感じている消費者はわずか20% (45%) にとどまり、2024年の46% (46%) から大きく減少しています。企業側の認識に対して、実際に消費者が感じている理解度には大きな隔たりがあることが分かります。不適切な体験を理由に購買をやめたことがある消費者も56% (83%)と、多く見られます。こうした企業と顧客との認識のギャップが存在する中で、個人データを安心して企業に預けられると信頼する消費者の割合も、グローバル平均は15%であるのに対し、日本ではわずか7%と、調査対象国中最低レベルでした。

 

このような状況において、透明性は消費者にとって一層重要なテーマとなっています。消費者の34%(54%)は、AIと対話していることを明確に伝えられることを求めており、ブランドには責任あるAI活用を実現するための明確な安全対策の導入が求められています。また、73%(84%)の顧客は、AIエージェントに一方的に推測されるのではなく、自身でブランドとのコミュニケーション方法を選択したいと考えております。これらの調査結果は、ブランドとのコミュニケーションにおいて消費者が自分の意思で選択し、主体的に関わりたいという意思を示しており、企業が信頼のギャップを解消する必要性がますます高まっていることを示しています。

Twilio Japanの代表執行役社長である久保 敦は次のように述べています。

「AIの進化によって、かつてないほど高度にパーソナライズされた顧客体験の提供が可能になりました。しかし、消費者の信頼やロイヤルティを築くうえで、本当に重要なのはテクノロジーそのものではなく、それをどう活用するかです。今回の調査では、顧客との真の関係を築くためには、企業が透明性を持ち、顧客一人ひとりの価値観や選好を尊重する姿勢が不可欠であることが明らかになりました。顧客の信頼なしにロイヤルティは生まれず、それがブランド価値の基盤となるのです。

現代の市場では、顧客ロイヤルティの獲得はこれまで以上に困難になっていますが、それでもなお、ブランドを持続的に成長させる鍵となるのは揺るぎません。成功する企業とは、パーソナライゼーションを大規模に実現できる最適なツールに投資しながら、透明性を保ち、常に顧客の意思と期待を最優先に据える企業なのです。」

 

本レポートから得られた主なインサイトは、より優れた顧客体験が、AI 投資のリターンを最大化する鍵である理由を示しています。

  • AIによるパーソナライゼーションは収益を生んでいるが、信頼の獲得には苦戦。現在、56% (56%) のブランドが、パーソナライズされたコンテンツやレコメンデーション、リアルタイムサポート、動的なオファーなどにAIを活用しています。これにより、78% (75%)の企業が顧客の支出増加を実感しています。しかし一方で、60% (61%) の消費者は「ブランドは消費者の個人データを自分たちの利益のために活用している」と感じており、44% (55%) は「AIの話はもううんざり」と回答しています。
  • リアルタイムのエンゲージメントは、購買率とロイヤリティを向上する
    消費者の56% (71%) が、魅力を感じない体験に直面すると購入をやめてしまうと回答しています。その一方で、84% (88%) は、リアルタイムでパーソナライズされた対応があると購入意欲が高まるとしています。しかし実際に、そのような高度のエンゲージメントを提供できていると答えたブランドは、全体の47% (44%) にとどまっています。

  • 信頼は高まりつつあるが、依然として脆弱
    日本の消費者のうち89% (90%) が、少なくとも一部のブランドを信頼していると答えている一方で、個人データを企業に安心して預けられる日本人はわずか7%にとどまっています。これは、グローバルでは15%なのに対し、半分以下と低い数字になっています。
    また、73% (84%) の消費者は、自分自身でパーソナライズ設定を管理したいと考えており、34% (54%) は「相手がAIか人間かを明示してほしい」と回答しています。
  • 賢い投資がリーダー企業と遅れを取る企業を分ける
    企業の94% (96%) が、パッケージのソリューションを購入するのではなく、自社専用の顧客体験を構築する計画を立てており、より良いデータ活用、透明性、そして自動化により競争力を維持しようとしています。さらに、58% (75%) の企業が日本でRCS(リッチコミュニケーションサービス)が利用可能になり次第導入し、より豊かな顧客コミュニケーションを図る方針です。

顧客ロイヤリティの獲得が難しく、失うのが簡単な今、企業はもはや信頼やパーソナライゼーションを「なくても良いもの」として扱う余裕はありません。2025年版「顧客エンゲージメント最新動向」レポートが明確に示してる通り、透明性のあるリアルタイムな関係性を築くブランドこそが、成長を促進し、ロイヤリティを深め、競争が激化するAI主導の市場で際立つ存在となるでしょう。

2025年版「顧客エンゲージメント最新動向」レポート全文はこちらからご覧いただけます。

https://www.twilio.com/ja-jp/state-of-customer-engagement

調査方法
Twilioは、2025年1月3日から2月17日にかけて、18か国の7,640人の消費者および637の企業を対象に調査を実施しました。回答者は、Z世代からベビーブーマー世代の幅広い消費者、顧客体験、マーケティングテクノロジー(MarTech)、顧客データ戦略を担当する責任者を含んでいます。

調査対象国・地域は、日本、アメリカ、オーストラリア、ブラジル、チリ、コロンビア、フランス、ドイツ、香港、インド、インドネシア、イタリア、メキシコ、フィリピン、シンガポール、スペイン、タイ、イギリスです。


Twilioについて

多くのトップ企業が、今、Twilioのカスタマーエンゲージメント・プラットフォーム(CEP)を利用して、世界中のあらゆる場所にいる顧客と、直接、パーソナライズされた関係を築いています。Twilioは、コミュニケーションとデータを活用し、柔軟でプログラミング可能な方法により、インテリジェンスとセキュリティを、顧客ジャーニーのあらゆる段階で付加することができます。そうした段階には、成長を目指すセールスからマーケティング、カスタマーサービス、さらに多種多様なエンゲージメントのユースケースがあります。Twilioは、180か国、数百万人の開発者、数十万ものビジネスにご利用いただき、顧客に向けて素晴らしい体験を生み出しています。Twilio(NYSE: TWLO)の詳細については、こちらをご覧ください: www.twilio.com


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