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Twilio SendGridのメールIPウォームアップガイド
メール配信率を向上させ、配信失敗を防ぐため、IPアドレスを適切にウォームアップする方法をTwilio SendGridガイドで学びましょう。
読む所要時間:
Twilio SendGridのメールIPウォームアップガイド
第1章: はじめに
メール配信を成功させるというのは難しいタスクのように思えるかもしれません。コンテンツの品質やメールリストの健全性など、送信者の評判に影響を与える要素が非常に多いため、受信ボックスにメールを届けることはかつてないほど困難に感じられます。
特に、新しいIPアドレスからのメール送信は、受信ボックスへの到達率に最も影響する不確定要素の一つと言えます。IPアドレスのウォームアップが適切に行われなかった場合、GmailやYahooなどのインターネットサービスプロバイダー(ISP)にメール送信を拒否される可能性があります。
このガイドでは、新しいIPの評判を把握し、IPを正しい方法でウォームアップする方法を解説します。以下のことを学んで、メール配信率を向上させましょう。
- IPアドレスの定義と、その評判がメール配信に与える影響
- メールの遅延や配信失敗を招くことなく、新しいIPアドレスからのメール送信を開始するためのウォームアップスケジュールの提案
- ニュースレターとトランザクション用IPウォームアップアプローチのサンプル
- その過程で役立つヒント
第2章: IPとは何か、なぜIPのウォームアップが必要なのか
IPアドレスは、メールドメインを示す一意の数字列であり、送信者の評判を決定する最も重要な要素の一つです。
ISPはIPアドレスをもとに送信者を特定し、送信挙動を追跡してIP評判スコアを決定します。挙動が良好であるほど、配信率は高くなります。
メールの送信数が増えてくると、その負荷に対応するために追加のIPアドレスが必要になる場合があります。新しいIPアドレスにはメールの送信実績がないため、評判スコアはありません。新しいIPは「コールド(冷たい)IP」と呼ばれます。では、評判スコアがゼロのコールドIPから、メールを受信ボックスに届けるにはどうすればよいでしょうか? その答えが「ウォームアップ」です。
IPアドレスのウォームアップとは、専用IPからのメール送信数を最初は少なく抑え、時間をかけて徐々に送信数を増やしていくプロセスです。これにより、受信ボックスプロバイダーが送信実績を認識・特定・評価することができ、その結果、メールリスト全体への送信を安全に進めることができます。
IPウォームアップの主たる目的は、予想される「通常」レベルまで送信数を増やすことです。ISPでは不審な挙動を検出していますが、そのためには各IPの通常の送信数を把握しておく必要があります。スパマーは、受信ボックスに送られるメールに悪質なメールを紛れ込ませようと、IPを頻繁に変更してISPのセキュリティチェックを回避しています。
ISPでは、ウォームアップ期間中に送信挙動やメールリストの健全性を確認し、受信者にとって関連性が高く価値のある情報の提供に専念しているかを評価します。ウォームアップ期間中における受信者からの反応が多いほど、そのIPに対するISPの評価は高くなります。ISPの調査の対象となるのは、メールを開封したユーザー数、メールを最後までスクロールしたユーザー数、メッセージを他のフォルダに移動したユーザー数です。
送信者にとって、IPのウォームアップは、メールキャンペーン全体を監視し最適化する絶好の機会となります。また、準備期間中に良好な評判を築くことで、その後の運用が非常にスムーズになり、トラブルシューティングに追われることなく、ユーザー獲得戦略を強化し、優れたコンテンツの作成や結果の分析に集中できるようになるでしょう。
ベストプラクティスのヒント
送信数が少ない場合は、共有IPを利用してウォームアップをスキップ
メールの送信数が少ない場合、通常は共有IPからメールを送信することになるため、個別のウォームアップは不要です。専用IPの利用は、毎月のメール送信数が5万通を超える場合のみ推奨されます。Twilio SendGridのProプランまたはPremierプランに加入しているユーザーは、メール送信数の増加に合わせて、ダッシュボード上でIPアドレスを最大3つまで追加して運用できます。
第3章: IPのウォームアップ方法
以下のアドバイスとウォームアップのスケジュールは、あくまで参考としてご活用ください。送信者によって状況は異なるため、自社のメールプログラムに適したウォームアップの送信数や頻度を決定するには、メール配信の専門家のアドバイスが必要になる場合があります。ウォームアップ期間中に送信するメールの数は、送信するメールの総量によって異なりますが、ISPが送信者の評判をトラッキングできるように、十分な頻度で十分な量のメールを送信する必要があります。
事実:
ほとんどの評判システムでは、データは30日間しか保存されません。そのため、特定のIPアドレスから30日間以上メールを送信しなかった場合、そのIPアドレスを再度ウォームアップする必要があります。
Twilio SendGrid
IPウォームアップにおいて最も難しいのは、どこから始めればよいかを決めることかもしれません。まずは、ウォームアップに使用するメールリストのセグメントを選びましょう。ISPは、まず個人のGmailアカウントなどの内部アドレスから始めることを推奨しています。
これは、評判をゼロから構築する場合や、あまり芳しくない評判を改善しようとする場合に、特に有効です。一部のメッセージはスパムフォルダに入ってしまう可能性がありますが、それは想定内です。スパムフォルダからそのメッセージを取り出し、連絡先や安全な送信者リストに追加します。内部のメールアドレスから始めるのはこのためです。また、送信したメールへの返信も、IPのウォームアップに有効です。
続いて、連絡先リストへの送信を開始します。その際には、「非常に熱心な」受信者やメールストリームを選んでください。エンゲージメントレベルの高い受信者への送信が完了したら、次に、最近エンゲージメントが高まったユーザー群へ送信します。
新しいIPアドレスのテスト配信セグメントとして、「ウェルカムメッセージ」を選んでもよいでしょう。ウェルカムメッセージの活用には、以下のようなメリットがあります。
- 配信許可の再確認になる
- 自社の価値提案を改めて強調できる
- 行動喚起により、開封率とクリック率を上げる
ベストプラクティスのヒント
明確な配信許可を得ているか確認する
どのような種類のメールから始める場合でも、必ず明確な配信許可の手続きを経ているメールストリームを選んでください。これにより、送信者の評判が築かれ、ISPから「正当な送信者」であると確実に認めてもらえます。配信するセグメントを決めたら、次は送信するメール通数を決定します。小量からスタートし、慎重に送信通数を増やしていきましょう。
エンゲージメントデータがない場合は、直近で新規登録したユーザー群を対象とします。メールリストに登録した直後のユーザーは概して最もアクティブです。評判が定着し、送信通数が増えてきたら、リストを過去にさかのぼる形で追加していきます。古いユーザーや反応の薄い受信者ほど最後の方に追加することになります。これはまた、非アクティブなアドレスや反応のないアドレスをリストから削除する絶好の機会にもなります。
もし新しいIPに開封率の低下、ブロックの増加などが見られた場合は、焦らずに送信数の増加ペースを落とし、評判が追いくのを待ちましょう。IPのウォームアップには最大で60日かかることもありますが、Twilio SendGridのクライアントの大部分は30日以内にウォームアップを完了しており、中にはわずか1〜2週間でプロセスを終えるユーザーもいます。
配信結果をガイドとして活用しながら、適切な送信頻度を判断しましょう。高いエンゲージメント率を維持し、良好なメール配信率を達成している場合は、プロセスをスピードアップできます。ただし、配信制限がかかった場合は、ブレーキを踏んで送信ペースを落としてください。
ウォームアップ期間中は、受信者の反応を注意深く観察してください。エンゲージメントが低いほど、ISPはウォームアッププロセスに対して厳しい判断を下します。自社のコンテンツを客観的に見直してみましょう。件名は明確で魅力的なものですか? 受信者にとって価値のあるコンテンツを届けていますか? 最初に配信したセグメントにとって「No」なら、リスト全体のユーザーの感想も同様でしょう。
すべてのISPで均等にウォームアップを維持する
ウォームアップ期間中は、各ISPに対して常に一定の送信ボリュームを維持してください。例えば、ウォームアップスケジュールを分割し、毎日それぞれのISPへ同等の通数が届くようにします。「月曜日はGmailだけ、火曜日はYahoo!だけ」のように偏った送信の仕方は避けましょう。これを守らないと、散発的に送信していると見なされ、信頼できる送信者としての評判を築けなくなります。
第4章: ニュースレターの配信スケジュールの例
このガイドに記載されているIPウォームアップスケジュールに従って進めてください。もし配信メトリックスが悪化している場合は、前日の送信通数を維持してください。例えば、月間計90,000通のメール送信を予定している場合、初日は50通から開始し、目標とする配信通数に達するまで、日を追うごとに段階的に増やしていきます。
「オーディエンスのエンゲージメントが高ければ高いほど、ウォームアップが成功する可能性も高くなります。」
第5章: トランザクションメールの配信スケジュールの例
既存のビジネスの場合
すでに大量のメールを送信しており、今回初めてメールサービスプロバイダー(ESP)に移行する場合、または新しいベンダーに切り替える場合は、送信を少しずつ移行していく必要があります。その方法の一つとして、トラフィックを小さく分割し、少量ずつ時間をかけて新しいIPアドレスへ移していきます。もし、すでに複数のメールサーバーを運用している場合は、サーバーを一つずつ新しいIPアドレスへと移行していくとよいでしょう。
新規ビジネスの場合
通常、ビジネスの有機的な成長そのものが、その性質上、IPのウォームアップに理想的な基盤となります。トランザクションメールの通数は、一般的にユーザー数に比例して増えるため、顧客ベースの拡大に伴い、メールの送信数も緩やかで安定した増加曲線を描くことになります。ただし、そのメールが「トランザクションメールである」というサインを、ISPに対してできるだけ多く示すことが重要です。この段階では、こうしたウォームアップメッセージにプロモーションメールを混ぜるような試みは、避けた方がよいでしょう。
Twilio SendGridなら、IPウォームアップがうまく行っているかどうかを確認できます。
メール配信率に関する専門家チームが継続的なコンサルティングを提供します。また、メールプログラムの立ち上げ支援や、現在の送信方法の監査にも対応します。
第6章: IP割り当てとIPウォームアップスケジュール
IPウォームアップ計画は、送信者が自身のメールプログラムの潜在的な弱点を特定できるよう支援する手段にすぎない、という点を理解しておくことが重要です。少量のメールからゆっくりと開始することで、送信者の評判に深刻な悪影響が及ぶ前に、送信を一時停止したりペースを落としたりして、戦略を練り直す時間を確保できます。
IPウォームアップスケジュール
|
ウォームアップ期間(日) |
1時間あたり送信数の上限 |
|---|---|
|
0 |
20 |
|
1 |
28 |
|
2 |
39 |
|
3 |
55 |
|
4 |
77 |
|
5 |
108 |
|
6 |
151 |
|
7 |
211 |
|
8 |
295 |
|
9 |
413 |
|
10 |
579 |
|
11 |
810 |
|
12 |
1,000 |
|
13 |
1,587 |
|
14 |
2,222 |
|
15 |
3,111 |
|
16 |
4,356 |
|
17 |
6,098 |
|
18 |
8,583 |
|
19 |
11,953 |
|
20 |
16,734 |
|
21 |
23,427 |
|
22 |
32,798 |
|
23 |
45,917 |
|
24 |
64,284 |
|
25 |
89,998 |
|
26 |
125,997 |
|
27 |
176,395 |
|
28 |
246,953 |
|
29 |
345,735 |
|
30 |
484,029 |
|
31 |
677,640 |
|
32 |
948,696 |
|
33 |
1,328,175 |
|
34 |
1,859,444 |
|
35 |
2,603,222 |
|
36 |
3,644,511 |
|
37 |
5,102,316 |
|
38 |
7,143,242 |
|
39 |
10,000,539 |
|
40 |
14,000,754 |
|
41 |
19,601,056 |
理想的なウォームアップのスケジュールにはさまざまな要因が影響します。例えば、リストの経過時間、リストの健康状態、スパム報告、ユーザーのエンゲージメント、ドメインの評判、コンテンツ、ドメインの分布などの要因があり、これらによってスケジュールは大きく変わってきます。
同様に、必要なIPアドレスの数も一様でななく、送信数、送信するメールの種類、送信先のドメイン、送信者の評判に基づいて変動します。
第7章: 始める前に知っておきたいポイントと、進める上でのヒント
ウォームアップ期間において最も重要なのは、一貫したメール配信パターンを確立することです。開始するにあたり心得ておくべきポイントを以下に挙げます。
初めは慎重に
一度傷ついた評判を回復するのは非常に困難です。送信者は、メールを確実に届けるために積極的に送信しなくては、と考えてしまいがちです。しかし、評判を回復するのに膨大な時間がかかることも考慮しなければなりません。回復には4週間以上かかることもあります。送信者の評判のトラッキングは30日ごとに行われるためです。ブロックされている間は毎日コストが生じてしまいます。
IPのローテーションは得策ではない
何十ものIPアドレスは必要ありません(所有すべきでもありません)。大量のメール送信が許可されているIPアドレスをローテーションしながら送信(いわゆる「スノーシューイング」)していることをISPに気づかれると、そのIPアドレス範囲全体がブロックされてしまいます。適切にウォームアップを行い、ベストプラクティスの継続すれば、1つのIPアドレスから1日に数百万通のメッセージを送信することは十分に可能です。
データを活用して自ら学ぶ
ISPは、送信者が受信者に対して適切に対応しているかを見ています。たとえ配信に失敗しても、データが多いほど、受信者への対応やメールプログラムの最適化をより効果的に実行できます。この業界は狭いコミュニティであり、噂はすぐに広まります。そのため、常に正しい行動を心掛けることが有利な結果をもたらします。
マーケティングメールは依然として難しい課題である
マーケティングメールの扱いについては慎重を期し、細心の注意を払ってください。ISPはトランザクションメールを常に「望まれている」メールとみなしているため、一般的に多少許容範囲が広くなっています。少なくとも2つの専用IPを用意し、1つはマーケティングメール用、もう1つはトランザクションメール用として使い分けることをおすすめします。
ベストプラクティスがすべてを解決する
IPのウォームアップ期間中(およびそれ以降)、ユーザーのエンゲージメントを監視し、パーソナライズを行い、最終的に非アクティブな受信者をリストから削除していくことが、メールプログラムの運用期間を通じて配信性を最大化する鍵となります。
第8章: 専用IPのウォームアップに適したメールAPIの選び方
すべてのメールAPIが、専用IP、ウォームアップ、スロットリングを同じ方法で処理しているわけではありません。その違いは多くの送信者が思っている以上に重要なものであり、それに気づかされるのは、ウォームアップの最中に配信性の問題に直面した時です。
専用IPの設定用にメールAPIを評価する際は、次の3つのポイントをチェックしてください。
- プロバイダーが、所定のスケジュールに基づいた管理型のウォームアップを提供している(送信数のペース配分をユーザー自身に任せるのではなく)。
- 自動スロットリング機能が組み込まれており、ISPから拒否反応があった場合はプラットフォームが自動的に送信ペースを落として対応する(配信失敗を通知するだけで、対応をユーザーに任せるのではなく)。
- メールがどこで保留またはブロックされているかを正確に把握できる、ISPレベルのレポートを提供している。
Twilio SendGridは、これら3つをすべて提供しています。
このプラットフォームには、評判が向上するにつれて1時間あたりの送信数の上限を自動的に管理する「組み込みのIPウォームアップスケジュール」、ISPからのシグナルに基づいて送信ペースを落とす必要が生じると作動する「リアルタイムのスロットリング」、メールの状況を常に把握できる「ISPごとの詳細なレポート」機能が備わっています。
さらにサポートが必要な場合は、Twilio SendGridのエキスパートサービスチームが、ウォームアップを軌道に乗せるための単発/継続的な配信性コンサルティングを提供します。
第9章: まとめ
IPアドレスのウォームアップは、健全なメールプログラムを構築し維持する上で欠かせないプロセスです。適切なIPウォームアップには、思ったよりも時間がかかるかもしれませんが、忙しい中でもこのプロセスを確実に行うことは、どのような種類のメールを送信する場合でも必ず良い結果をもたらします。
Twilio SendGridでは、お客様と協力し、IPウォームアップを成功に導くための最適な戦略とアドバイスを提供しています。また、ISPごとの詳細なレポートも提供しており、自社のメールがどのように届いているかを詳しく把握できます。
当社のエキスパートサービスチームは、継続的なコンサルティングのほか、導入や運用の軌道修正などを支援する単発のサービスを提供しています。また、24時間365日体制の当社サポートチームが、必要なときにいつでも対応できるよう待機しています。
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